思慮深く、物事の真の価値を追究する塗さんは、一人自分の合格を喜ぶのみならず、志を同じくする後輩の役に立てばと、自身の経験談をQ&A形式でまとめ、さらには文学・文化に関する分野の大学院リストも作成してくれました。そんな温かい心遣いを率直に示せる、まさに教養デザインの名にふさわしい人材です。
中国の大学院での研究後、日本での中国文学研究を志して留学した、根っからの学究です。大学院で複眼的な思考を深め、立派な学者に成長されることでしょう。入学当初、会話は決して得意ではありませんでしたが、一途な努力で克服してきました。それは何事に対しても自分の考えを明確に持ち、表現しようという強い意志があるからです。授業中での発言、座談会での討論、専門分野に関する発表などで力を発揮し、クラス全体のレベルも引き上げてくれました。
そんな彼女にも辛い経験はありました。悔し涙で言葉を失ってしまったこともありました。しかし、それは真に頑張った人しか見せることのできない美しい涙でした。たとえ何度失敗してもそれを恐れず、一回の成功があれば十分だ、失敗を恐れないでこそ成功を迎えることができるのだと塗さんは語ります。その言葉には、丹念に情報を調べ、研究計画書を書き、過去問を繰り返し練習して築き上げた成果の重みがこもっています。
塗夏寧さんが東京国際交流学院池袋校で学んでくれたことに感謝します。その思いを込めて紹介させていただきました。(教務主任 土橋緑)
東京国際交流学院池袋校